性転換の歴史

アベ・ド・ショワジー ブルボン王朝において女装を貫いた聖職者

性転換の歴史13

アベ・ド・ショワジー ブルボン王朝において女装を貫いた聖職者

Abbé de Choisy(1644-1724)


パリで生まれたアベ・ド・ショワジー(1644-1724)は、ルイ14世時代のフランスで新興貴族の息子として生まれました。

そして、権謀術策に長けた母親によって、女装癖のあるルイ14世の王弟フィリップ殿下の宮廷に潜り込むために、女装姿で育てられます。絶世の美少女として、殿下の遊び友達になったショワジーは、その美貌により宮廷でも話題になります。

しかし、18歳になり、哲学と神学を学ぶためにソルボンヌ大学に入学したショワジーは、女装を禁じられます。

もはや、自らの意思により、女装した自分の姿こそが、本来の自分の姿だと感じていた彼は、1666年に大学卒業後、女装を再開し、ボルドーの旅回りの一座で女優デビューします。その5ヶ月間の公演で誰も男性だと気づかず、多くの男性に言い寄られたと、自伝でショワジーは回想しています。

1969年に母親が死に、母親の財産で裕福になり、その美貌も最高潮に輝いていた彼は、宮廷貴族の後ろ盾を得て公然と女装するようになりました。デ・バール伯爵夫人あるいはド・サンシー夫人という仮名を使い、パリの宮廷やサロンを女装姿で出入りし、美少女を愛人にし、男装させたりと、自堕落な生活を送ります(あくまで恋愛の対象は女性)。

この奇妙な楽しみがどこから来るのかと考えてみますと、こう言えるのではないでしょうか。神の本性とは愛され賛美されることにあります。人間もその弱さが許すかぎりにおいて、同じ望みを持っているのです。ところで、美が愛を生み出すものであり、美は一般的に女性の属性とすれば、他人に愛されるような美しい顔立ちをした男は、あるいはそう信じる男は、女の格好をしたほうが効果的であり、女装をすることで魅力を増そうとするのです。そうして、愛されるという無上の喜びを感じるのです。わたくし自身、甘美な経験を通して、その喜びを一度ならず感じたものです。美しい着物を着て、ダイヤを飾り、つけぽくろを付けて、舞踏会や観劇などに行ったとき、近くで「まあ、なんて美しい人」というささやきが聞こえると、何物にも代えがたい喜びが湧いてくるのです。それほど、その喜びは大きいのです。野望も、富も、愛も、その喜びに勝るものではありません。と申しますのも、わたくしたちは他人を愛するよりも自分自身をいつも愛しているものでございますから。

やがて、貴族の三男坊として、当時のごく自然な流れとして聖職者になり、サン・セーヌ修道院の司祭になります。その後、女装を辞め、代わりにフィリップ殿下も夢中になっていた賭博に目覚め、財産をほぼ失います。

自戒の果て、聖職に目覚めたショワジーは、女装姿で執筆活動に精を指します。そして、1683年に「女装冒険譚」を記します。

1685年から86年にかけて、シャム王国への大使に同行し(王をキリスト教に改心させるため)、1687年にはアカデミー・フランセーズ入りを果たし作家としても認められ、〝女装した聖職者兼作家〟として80歳で、その自由奔放かつ波乱万丈の人生を終えました。

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